抗不安薬という医薬品は器質性精神病へ効果があるか

抗不安薬は、近年の精神疾患に対する治療で必要なものとされています。医薬品の進歩とともに、精神疾患の症状を抑えることが出来るようになりました。中でも抗不安薬は、副作用として鎮静作用、筋弛緩、認知機能が低下する、脱抑制になる場合がある、依存性があるという事はあるものの、それらの副作用が抗精神薬に比べればそこまで強くなく、一般的にも使用される薬となっています。確かに自殺念慮などの危険な状態にも使われる事はありますが、その一方で睡眠障害などにも使われるケースも有り、身近な薬となりつつあります。
この医薬品は、近年器質性精神障害にも使えるとされています。器質性精神障害というのは主に脳神経の異常による疾患です。精神疾患が起こる原因として当然神経系の異常が関連しています。そのため、脳の障害は全て精神疾患を及ぼすリスクを向上させると言えます。
例えば、交通事故などの外傷によって脳震盪や脳挫傷、頭蓋内出血でも起こりますし、脳腫瘍もその原因となります。また、梅毒などのウイルスによる麻痺などの感染症も器質性精神障害です。近年注目されているものでは狂牛病やエイズウイルスによる精神障害があります。また、全身性エリテマトーデスなどの疾患でも障害が起こる場合がありますが、この場合は治療に使われるステロイド薬が原因である場合があり判別が難しくなっています。このような、器質性の物に対して抗不安薬は最初の選択肢とはなりません。基本的には原疾患を治すことが最重要の治療となります。仮に抗不安薬を使用する場合は、対症療法として使う事になります。幻覚や妄想状態が激しくなっている時に抑えるために持ち入りますが、高齢者の場合は認知機能低下や筋弛緩などの症状がADLを著しく低下させるリスクが高いので慎重な投与が必要となります。